妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
少年は圭くんという千秋小学校に通う3年生であった。
さっきまで友達と遊んでいて帰ろうとしていたところのこの雨だったようで、千秋神社に雨宿りしにきた。
大体私たちとおんなじような流れでこの神社に来たみたいだ。
何気なく常木さんの方に視線をやると彼もびちょぬれになっており、ぼーっと少年を羨ましそうな目で見つめていた。
常木さんも子供の頃に戻りたいなあ、などと耽ることもあるのかしらん。
私が圭くんをわしゃわしゃしている間も雨は強くなるばかりで、一向に止む気配がしない。
地面も水を吸ってぬかるみ、目の前も白んでいくばかりだ。