妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
そういえば、あの時も通りかかった年長さんに「僕がつけてあげようか?」と声をかけてもらったのだったな。
私は「いい、自分でできるもん」と言いながらその年長さんにボタンを留めてもらっていた。
なんと、私はあの頃と何にも変わってないではないか!
私は自分の成長のなさに辟易したものの
「お茶っ葉が見当たらなくてなあ、待たせたね」と鈴木さんが出してくれたお茶を飲むと
まあいっか、と楽天的な自分がひょっこり顔を出した。
こういう新たな出来事に飛びついて、さっきまでの出来事をすっかり頭の隅にやってしまうところも、全く変わっていない。