妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~



「私はちゃんと説明したからな。
あんた、しっかり捕まえとかないとこのふわふわした乙女はあっさりどっかの輩に攫われるぞ」




鈴木さんは呆れたように私を指差しながら常木さんを窺う。




「そうですよね。手綱はしっかり握って、むしろ手繰り寄せるくらいの気概がなければ。
僕が悠長に待っている間にぽっと出た男に取られるのは腸が煮えくりかえってしまいますから」




常木さんが何やら意味深に微笑みかけてくるので、私は訳もわからず曖昧に微笑み返した。




鈴木さんが「いや、別にそこまでエンジンをかけるつもりで言ったんじゃないんだけどなあ」と呟く。




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