妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~


それから、私と常木さんはお昼を食べることになった。



一般の人も食堂は自由に使えるらしい。



さっきのお兄さんは常木さんと同じ学部の後輩にあたり、つまり常木さんも法学部ということになる。




 常木さんが私の分まで食券を買ってくれて、ご馳走になってしまった。



二人でお昼をとり満腹になったところで一息つく余裕が生まれると、自分たちが注目の的になっていることに気がついた。





主に常木さんがものすごく目立っている。




「常木さん、モテモテだね」


じろり、と常木さんから視線が注がれる。



「どうしたの?」


「どうしたも、こうしたも……」



 常木さんはすっと手を伸ばしたかと思うと、私の鼻をキュッとつまんできた。




「うむっ」息が詰まったせいで、喉の入り口のところから変な音がした。
常木さんは私の鼻を離すと、次は頬をつまんでくる。




「この鈍感少女」


「いひゃいよ」



私の唯一の自慢であるふにゃふにゃほっぺがほっぺが歪んでしまうではないか!


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