妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
そしていま気になることがもう一つ。
落ち着かない様子で時々こちらに目配せしてくる隣の席の真也。
「なあに、真也。どうしたの?」
「え、あ〜いや」
「そんな風にちらちら見られると気になるんだけど」
「変なこと聞くかもしれないけどさ、お前、男いるのか?」
私はキョトンとする。男?
彼氏がいるか、ということを聞きたいのかな。
「いないけど……」
「でも、首のとこ……」
真也は顔を引き攣らせて、苦笑いした。
「な、なんでもねえよ」
へんなのー、と思いながら次の授業の準備をする。ガタンと隣で真也が勢いよく立ち上がった。
なにやら小さく拳を握って私の前に立ちはだかった。