妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
「え、だって真也の方が勉強できるし、多分私ばっかり教えてもらうことになると思うからさ」
「あ、そう」
真也は少し残念そうにする。
「そっちか」
「あ、ごめん。面倒だったら聞かないから!」
「そんなんじゃないって。じゃあ、今週の土曜日にお前の家に行くから」
「あ、うん。わかったあ」
真也は複雑な妙な顔をして教室を出て行った。勉強、見てくれるのかなあ、だとしたらありがたいなあ。
彼はあんな感じだけれど面倒見がよく、授業中ほとんど寝てるというのに頭ひとつ抜きん出ている。
勉強しているところなんか一度も見たことがないのに、どうして勉強ができるのかとても不思議だ。