妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
お人好し
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俺って、久美に負けず劣らずのお人好しなのかもしれない。
久美が出ていったきり、がっくし肩を落として、放心している男、しかも恋敵を目の前に
「しっかりしてください、元気出してくださいよ」と同情の言葉をかけているのだから。
俺だって久美のことが好きなのに……。
なぜこんなことをしなければいけないのだ、おかしいであろう。
兄貴の友人で、品行方正、容姿端麗、頭脳明晰の三拍子揃った常木 弥白さん。
何をするにもガサツで落ち着きのない、阿呆とタンパク質からできた兄貴とは真反対の人間だと思っていた。
なんなら俺も弥白さんみたいな紳士的な人になりたいな、と人生の手本にしていたとこがあった。