妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
冷たくてとろけるような舌触り、私は満足げに頷いた。
常木さんに嫌いなんて言ってしまったけれど、本心ではない。
ああでも言わないと彼はいつまで暴走し続けただろうから、仕方がなかったのだ。
ぱくぱくアイスを食べていると「ごめんね……」と常木さんがボソリと言った。
起きているのかと思ったら、すやすやと寝息を立てている。
寝ながら謝るなんて相当反省しているのかしら。
常木さんの行動はつかみどころがない上に、五歳児とさして変わらない。
直感と本能で生きていながら他の人との距離感はうまい具合に計る。なのに、なぜか彼は私に対しての距離感がおかしい。