妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
「久美……? あれ、俺寝てたのか」
真也がむくりと起き上がり、ぼんやり私を見た。
「ぐっすり寝てたねえ」
「ぐっすり寝てたねえ、じゃねえよ。こっちは大変だったんだからな」
「そうなの? 何してたか知らないけど、部屋がくちゃくちゃになってた」
「もう少しでこの家が事故物件になるとこだったんだぞ。びっくりだろ」
「その冗談よくわかんないよ」
私がアイスを買いに出掛けている間に幽霊召喚の儀式でもしていたんだろうか。
ほら、ちょっと前までこっくりさんが流行ってたし、馬鹿にしてた真也も実はやってみたかったのかもしれない。
可愛いところもあるじゃん、と微笑ましくなる。