妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~



「何ニヤニヤしてんだよ、つうか……」



 苦々しい表情で顔を歪ませた真也は、常木さんを横目で見やると



「久美はこの人のこと好きだよな、そうだよな?」



と足で常木さんをつついた。



「つついたら起きちゃうよ」



そう訴えたがこの短時間に何があったのか知らないけれど、真也は「好きだよな?」と同じ質問を重ねる。



「き、嫌いじゃないけれど……なんで?」


「あんまりこの人に嫌いなんて言うと、死んじゃうぞ、まじで」




 私は首を捻るばかりだった。
そりゃあ嫌いと言われて嫌な気持ちにさせてしまったかもしれない。




それにしても大袈裟すぎる言い回しじゃない?



いや、しかし、真也は言いたかったのだろう。それだけ私が常木さんを傷つけてしまったのだと。


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