妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
真也は参考書をカバンに詰め肩にかけると、常木さんを跨いで部屋の入り口で振り返り
「別にお前が悪いわけじゃないけど、アフターケアはしてやれよ」とニヤリと笑って出ていった。
アフターケアってなんだ……。
私は常木さんのそばに座り込んで寝息を立てている美しい顔を眺めた。
このまま目を覚さないような神秘的な趣さえある彼は、私がいない間に真也とどんな話をしていたんだろう。
彼の頬に手を伸ばすと、しっとり涙で濡れていることに気づいた。
え、泣いていたの?
私が怒ったから?
「……えっと、ごめんね。でもあんな風にされると困る。……ほんとうに困ったの」