妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~



私は冷蔵庫に冷やしていたアイスのことを思い出した。


「美味しいねー」


なんて言って二人で食べるアイスはさっき食べたものより甘く感じる。




気のせいだろうけれど幸せの味がして思わず微笑んでいると、
隣でアイスを食べている常木さんが恐ろしいことを言いだした。




アイスを落としかけたほどだ。



「寝ている君を、やけになって襲わなくてよかった」


常木さんは肩をすくめ


「次は合意の上で」



と女の人なら誰彼構わず落としてしまいそうな、それはそれは素晴らしい笑みで言った。




どうやら彼は心が奪えないのなら体だけでも、とそこまで追い詰められていたらしい。



もし私が好きじゃないなんて言葉を口にすれば、一体どうなってたのやらと思うと冷や汗をかいた。




万が一にも私が常木さんに好きだと言われて断ることなんてないのだけれど。


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