妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~



 濡れた足音の正体はお父さんで、サッサッと擦る音はお母さんが濡れた廊下を拭いて追いかけていただけという。



怪談でもなんでもない事実だった。



「ごめんね怖かったよね、本当は怖がる姿まで見たかったけれど、
それじゃあ君は僕の部屋に来てくれないだろうからそれは仕方ないよね」



とむしろ次に活かす心意気まで見せながら常木さんは言ったのだ。


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