妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
独り占め夜祭
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例によって、イルミネーション係となった私は夕方6時の薄暗い校舎で待機していた。
三階の空き教室で窓から模擬店を眺める。私の役割と言えば、夜の8時に点灯のスイッチを押すこと、それだけ。
さっき、点灯の確認をすましてきたから、ほんとにこれっぽっちもすることがない。
いいのか悪いのか、暇を持て余していた。
自分たちの模擬店は焼きそば。
毎年忙しくなる出し物なので現場は多分ばたばたしてるに違いない。
ちょっと見に行ってみようか、と腰を上げた。
「何か手伝えること、ありますかあー?」
ちょっと軽い気持ちで声をかけたのに、みんながじろっとこちらに向いて、悪い笑みを浮かべた。
「あるよーあるある! 是非ともやっていただきたいことが!」
真衣のその言葉で、今からさせられることが私にとってそれほど喜ばしくない事柄であると察した。