妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
こんなにも周りかるの視線が気になるのか………それはなぜ私のことを好きになってくれたのか、全然わからないからだ。
わからないけれど、自負できることもある。
常木さんはびっくりするほど他の女の子に目を向けないので、一概にも私ばっかりが好きなわけではないのかな、と自惚れていたりする。
まあ私の方がずっと好きなんだと思うけど……。
日も暮れて校舎から光が漏れ出る。そろそろイルミネーションの点灯時間が近づいてきた。
そんな時、後ろから「あら!」と女性が駆け寄ってきた。
私の知らない人だった。
「弥白さん、妖守に来てらっしゃったのね」
「ああ、ご無沙汰しております楓さん」
常木さん、こんなに綺麗な人とも親交があるのだな、とちょっと嫉妬する。
しかも名前で呼ぶ仲だなんて……。