妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
常木さんは言った。
「フユコさんはちゃんと僕が周るのをちゃんと待っていてくれました。
誰かが待っていてくれると人は頑張れるものなんですね。
フユコさんの優しさはとても素敵です」
確かに、いつでもあの和室で帰りを待っていてくれるおばあちゃんは私にとって太陽のような存在だ。
おばあちゃんは決まって窓際に座っていて、四つ足の机にはお盆に乗ったお菓子と湯のみ、
そして少し開かれた窓からは風がフワリと吹いてカーテンを揺らす。
おばあちゃんを思い出すと必ずこの情景も一緒に思い出す。
動揺したり、焦ったり、まごついたり、そういうのとは無縁の
どっしりと腰を据えている人物、それが私の大好きなおばあちゃんなのである。
常木さんとおばあちゃん談議をしていたところ。
「あ、みんなが帰ってきた」
1組目が早くも到着したみたいだった。
神社の鳥居をくぐって、境内の中に入ってくる。
続いて二組目、も帰ってきた。