妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
「妖守の時じゃなくてもそのお面かぶってるの?」
今の常木さんはいつもの着流しの着物に、妖面を横向きにつけていて、まるでお祭りに来てるみたいだ。
大学に行くときは洋服らしいが、それも全然想像がつかない。
「久美ちゃんは学校に行くとき制服を着ますよね。
それと同じで僕も6月から9月の夏の間、
妖守の仕事の時以外に神社に入る場合はこのお面をつけてないといけないんです」
こんな風にね、と常木さんは横被りしたお面を顔につけて、こちらを見た。
私が、へえなるほどそういう決まりがあるのか、と言うと
常木さんはうんうんと頷いてまた仮面を横にずらした。
「仮面の横被りはおっけいなんだ」
私はくすりと笑う。
「久美ちゃんも制服のスカートを折ってるでしょう。それと一緒です、許容範囲です」
「だって、スカートは折った方が可愛いでしょ?」
「僕にはよく分かりません、ただ目のやり場に困ります。
もしも、あなたが僕の彼女だったら、そのような露出は許せないですね」