妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
そんなことを言われて赤面せずにはいられない、舞い上がった乙女心もキャパを超え、
しゅーっと音を立てオーバーヒートする。
立っているだけでさえ妙な色気を放っているのに、もうそんなことを口に出されたらたまったもんじゃない。
ほんと、危うく心臓が活動を休止してしまうところだったよ。
胸を撫で下ろしながら私は先を歩く常木さんの後をよろよろついて行った。
石段の形がバラバラで表の鳥居の階段とは比べものにならないくらい足場が悪い。
よいしょよいしょと慎重に石段を降りる私とは違い、常木さんは慣れているのだろう、
歩きにくそうな下駄なのにもかかわらずスイスイと足を運んでいく。