妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
常木さんと少し間ができて追いつこうとした時、石段で足を滑らせて「わあっ」と体制を崩した。
尻餅をついてしまい、お尻がヒリヒリ疼く。
「久美ちゃん! 大丈夫ですか? すみません、歩くの少し早かったですかね」
先を歩いていた常木さんが振り返って、尻餅をついている私に手を差し伸べてくれた。
「あ、ありがとう常木さん」
意外にも力強く引き起こしてくれた常木さんにドキドキする。
「鈍臭すぎて笑っちゃうねえ、もうほんと」
恥ずかしさのあまり、あははと笑った。
当の本人よりも困ったように頭をかく常木さんに「怪我は?」と聞かれる。