妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
お尻は痛かったけれど、絶妙に上手くこけたみたいで怪我はない。
お尻は痛いけど……怪我はなかった。
「大丈夫、なんともないみたい」
私は手を広げて無事を示した。
常木さんは、あれ?と首を傾げ、
「手を擦りむいています」と私の手を指さした。
「あ、ほんとだ。でも、このくらいなら大丈夫ですよ」
「ダメです。バイ菌が入ったらどうするんですか、小さい傷も甘く見てはいけませんよ久美ちゃん」
着物の袖から絆創膏をだした常木さんは、慎重に手のひらに貼ってくれる。
「ありがとう」とお礼を言ったのと同時に、
ちょっと待てよ、袖から絆創膏って女子力を超えてオカンだな、と失礼なことも考えた。