妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
僕は狐面を右手で覆うようにして取り、小さく会釈した。
「初めまして、常木 弥白と申します」
僕が顔を上げた途端
「ちょ、ちょっと久美ちん!なにこのイケメン!」
ボブカットの女の子が久美ちゃんの裾をぐいぐいと引く。
「あはは」
久美ちゃんはから笑いを浮かべ
「バレちゃった」と頭に手をやり困っているようだった。
「もう!いつもこんなイケメンと密会してたなんて、ずるい〜!」
「この狐のお面かっこいいなあ」
椎名さんは僕の狐面に興味津々だ。
そして僕はすっかり二人に囲まれ、神社の端っこに追い詰められてしまった。