妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
「そう、それで。繁華街だから、その、ホス
トクラブとかもあるんだよね。
で、通った時にちょうどホストクラブからスーツをきた綺麗な男の人が、女の人をお見送りしてたの。
あんまり整った顔の人だったから印象に残ってたんだけれど………今思えば、あれ常木さんだったかも!」
「ま、まじ?」
「あの時はスーツだったからさっきまで結びつかなかったけど。1回そう思ったら、絶対そうとしか思えないわ」
確かに常木さんはすごく綺麗な顔をしている。
整ったパーツに、弧を描く唇。
着物から少し見える鎖骨なんかも。……あ、これは関係ないか。
そしてなんといっても前髪から覗く瞳に捉えられると、たちまち目を逸らせなくなる。
彼を妖しいと感じてしまうのも、美しすぎるが故なのだ。