警戒心MAXだったのに、御曹司の溺甘愛に陥落しました
それと同時に友達が出来にくくなった。
『男に媚びてる』
『可愛いからって調子に乗ってる』
『男なら誰でもヤるビッチ』
そんな謂れのない中傷を受けることも少なくなかった。
反論したこともあるし、仲の良かった男友達が庇ってくれたこともあったがどちらも逆効果だった。
高校生のある日、知らない女子生徒から呼び出され『人の彼氏に手を出すなんて最低』と平手打ちを食らった。
なんでも彼女の恋人が私を好きだと言って別れを切り出したそう。
『告白されすぎてどの男がアナタの彼氏かわかんないけど。それって私のせいなの?』
そう言い放った私はさらに孤立し、寂しい高校時代を過ごしたことは想像に難くないだろう。
可愛いだなんて見かけだけ。気の強い中身を知ったらみんな離れていく。
それ以来、面倒なことになりたくない私は徐々に自己防衛を覚えた。
必要最低限以外、男の人とは関わらないこと。
特にイケメンや女性人気の高い人には近寄らないこと。
素直になったって『媚びてる』と言われる。
だったらいっそ無愛想にしていよう。
そんな態度をとっているから友達も当然出来ない。
自分がどんどん可愛くなくなっていく自覚もあったけど、どうしようもない。
その結果、恋愛からもどんどん遠ざかっていったけど、特に恋をしたいと思ったことのない私には不都合もなかった。