好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「よろしくしたくないんだけど。なんで真似するの?」
「真似したわけじゃねぇよ。だって楽そうじゃん。文化祭だけって」
「委員に入らなかったらいいじゃん」
「もう入っちゃったんだから仕方なくね?」
どうして廉はいじわるばっかりするの?
ほんと、いやになる。
「必要最低限、話しかけないで」
立ち上がりそれだけ伝えて、廉の返事を聞かずにかほちんの席へ行く。
かほちんと話すことで、気持ちをリセットして廉のイライラをおさえる。
あれから廉と話すことなく放課後を迎えた。
「廉、行くぞ」
「あぁ」
廉と町田くんは同じサッカー部で、最後の授業が終わるなり一緒に教室を出て行く。
「くるたん、また明日ね」
「うん。部活がんばってね」
「ありがと」
かほちんはテニス部に所属している。
わたしに声をかけて、ポニーテールを左右に揺らしながら教室を出て行った。