好きな人には好きになってもらいたいじゃん。




「よろしくしたくないんだけど。なんで真似するの?」

「真似したわけじゃねぇよ。だって楽そうじゃん。文化祭だけって」

「委員に入らなかったらいいじゃん」

「もう入っちゃったんだから仕方なくね?」


どうして廉はいじわるばっかりするの?

ほんと、いやになる。



「必要最低限、話しかけないで」


立ち上がりそれだけ伝えて、廉の返事を聞かずにかほちんの席へ行く。

かほちんと話すことで、気持ちをリセットして廉のイライラをおさえる。


あれから廉と話すことなく放課後を迎えた。



「廉、行くぞ」

「あぁ」


廉と町田くんは同じサッカー部で、最後の授業が終わるなり一緒に教室を出て行く。



「くるたん、また明日ね」

「うん。部活がんばってね」

「ありがと」


かほちんはテニス部に所属している。

わたしに声をかけて、ポニーテールを左右に揺らしながら教室を出て行った。




< 10 / 347 >

この作品をシェア

pagetop