好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
廉って人混み苦手だもんね。
一度は断っても、やっぱり行くなんて、ほんとは花火見たいんじゃん。
そういう廉はよくあって、わたしもそんなところはかわいいと思うよ。
「じゃあ、18時に駅前集合な」
「おっけー」
「うん!」
町田くんの言葉に大きく頷いた。
花火大会、楽しみだなぁ。
浴衣、出さないと。
楽しみで気分も上がったから、もう少しかほちんにダンスを見てもらって練習してから家に帰った。
家に帰ってからは、浴衣の準備やヘアアレンジ、メイクをしたりしていたら、あっという間に時間は過ぎた。
待ち合わせの時間が近くなったから、家を出る。
「……待ってたの?」
「……べつに」
玄関を開けてすぐ、廉がいて一瞬固まる。
一緒に行こう、って話していたわけではなかったから。
まぁ、家が隣だから駅前まで一緒に行ってもいいわけだけど。