好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
お腹を満たしてから、ヨーヨー釣りや射的など、お祭りならではのゲームをした。
けっこう本気になって、盛り上がる。
「廉、射的うますぎ」
「お前が下手なだけ」
「顔良くて、射的も上手いとか、天は二物を与えすぎ」
「はいはい」
「くっそー。飲み物買ってくる」
「あ、あたしも行く」
勝負を挑んで廉に完敗した町田くんは、あっかんべーをして人波に紛れる。
かほちんも一緒に行ってしまった。
「座るか」
「うん」
ちょうど足も疲れてきたし、素直に頷き運よく空いていたベンチに座る。
廉の手には射的で当てた景品がある。
「ねぇ、廉」
「ん」
まだ要件を言っていないのに、景品をわたしに差し出してくれる。
「いいの?」
「胡桃がそれ好きだから取ったんだし」
「やった!ありがとう!」
廉から景品としてゲットした犬のぬいぐるみをもらう。