好きな人には好きになってもらいたいじゃん。




おいしいもののパワーはすごい。

まだ花火大会は終わっていないし、会えるチャンスは残っている。


諦めるには早いよね。



「はい、廉もどうぞ」


スプーンでかき氷をすくって廉の口元へ運ぶ。

たこ焼き同様、廉はすんなり口を開けて食べた。



「うまっ」

「ほら言ったじゃん。ふわふわだからよりおいしさ倍増なんだよ」

「やるじゃん」

「超上から目線だね」


廉の変わりようがおもしろくて、思わず声に出して笑ってしまった。

このおいしさは感動だよね。


ふわふわかき氷は最高!



「もう一口ちょうだい」

「仕方ないなぁ」


いまはぬいぐるみを廉が持ってくれているから、再びわたしが食べさせてあげる。

かき氷を食べ終えて、また歩き出す。



「ねぇ、舌赤い?」


渡してもらったぬいぐるみを抱き締めながら、廉に尋ねてべーってする。




< 124 / 347 >

この作品をシェア

pagetop