好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



菓子も見れば、俺が昔から好きなものも多くある。


まるで、俺が来ることがわかっていたような。

いや、これは俺が来ることを想定された準備。

期待は確信に変わる。


「なに?」



胡桃を見れば不思議そうに首を傾げる。

あぁ、ずるいって。


それは反則だろ。




「べつに。ほら、乾杯」

「かんぱーい」


胡桃が明るめの声で俺の持つコップに合わせた。

夜の罪悪感たっぷりの菓子パーティが始まる。



「……よく食うな」

「今日はいいの」

「祭りでも食ってただろ」

「そんなのもう消化されたよ」

「ブラックホールかよ」


そんな軽く言い合いしていたのも最初だけ。

次第に胡桃は夜中のテンションでおかしくなっている。




「姫野先輩のどこがいいのぉ?」

「知るか」

「廉もあんな感じの人がいい?」

「べつに」


オレンジジュースで酔ってんのかって思うほど、胡桃は饒舌に話し出す。




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