好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
でも、ぜったいすごいからね。
廉が見てない間に成長してるんだから。
……いっくんにも、見てもらえたらいいな。
面と向かって話すことはさっきもできなかったけど、せっかくだから見てもらいたい。
いっくんのことを考えると胸がチクッと痛んだ。
それを振り払うように、学校へ向かう足を速めた。
「くるたん。おはよう」
「かほちん!おはよう」
教室に入るとすぐにかほちんが声をかけてくれる。
笑顔でかほちんに駆け寄った。
かほちんの笑顔を見たら安心する。
「折原もおはよ」
「はよ」
「わ、ちゃんと挨拶返してくれた」
「廉も大きくなって」
「うるせぇな」
軽くわたしを睨む廉だけど、怖くない。
だから笑い飛ばす。
「れーん!」
「……ほんとにうるさいやつが来た」
「なんだって!?」
「聞こえてんのかよ」