好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



町田くんも来てこの場がにぎやかになる。

文化祭だからか、学校中が浮足立っているように感じる。



「髪セットしてやるよ」

「いい」

「えー、せっかくの文化祭なのに」

「してきた」

「いつもと同じじゃねぇかよ」

「お前もだろ」

「オレはこれからすんだよ」



町田くんは廉を誘うけど、廉は乗り気ではない。

いつもと変わらない髪型。



「くるたん、あたしらも髪しよ。メイクも」

「うん」

「ほら、女子ふたりも言ってんじゃん」

「知るか」



ふたりの会話を背に準備する教室として使っていた空き教室へ移動する。

そこにはクラスのほかの女子もすでに何人かいて準備をしている。



それに混ざってわたしたちも準備を始めた。



今日は髪を巻いてポニーテールにする。

かほちんも巻いているからふたりでおそろい。




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