好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「でしょ?顔だけはいいからね」
「さすがの国宝級。くるたんもセンスいいし」
いちおうメンズのヘアセットもチェックしてはいる。
廉はほんと顔だけはいい。顔だけ。
「ちょっと変えるだけでここまでとは。イケメンって強いな」
「見んな」
「オレも月島にセットしてもら……」
「それはだめ。行くぞ」
「あ、おい!!」
わたしとかほちんが話していると、めずらしく廉が町田くんを引っ張って行ってしまった。
なんだかんだ仲良しなんだよね。
「そろそろ開会式だからあたしらも行こっか」
「うん!あぁ、緊張するなぁ……」
「開会式終わってすぐだもんね。でも、くるたんなら大丈夫だよ」
「ありがとう」
かほちんにそう言ってもらえたら、気持ちが少し落ち着く。
そうだよね。
かほちんに教えてもらっていっぱい練習したし、大丈夫だよ。