好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
無事に最後のキメも決まり、すぐに次のグループと入れ替わる。
「お疲れ」
「っ、廉もがんばれ」
すれ違う廉が小さく声をかけてくれたから、わたしも廉にエールを送った。
廉はまた微笑んで、ステージに立つ。
正直びっくりしてる。
廉がこんなに優しく声をかけてくれるなんて……。
どうしたんだろう?
なにかあったのかな?
そう思っても、まぁ廉のことだからなにも考えてない可能性もある。
廉はなんだかんだ根は優しい。
そのことは幼なじみとしてずっと一緒にいるわたしはわかっている。
ステージで踊る廉を見つめる。
だるそうにしながらも振りは完ぺきだし、なんかキラキラしてるようにさえ見える。
どうしてか廉から目が離せない。
廉を見ているとあっという間に終わり、最後はクラス全員でわちゃわちゃと楽しくダンスをしてステージ発表を終えた。
「終わったね。あとは文化祭を楽しむぞ!」
「そうだね。全部回れるかな?」
「回っちゃおうよ」