好きな人には好きになってもらいたいじゃん。


かほちんとパンフレットを見て、どのクラスがどんな出し物をしているのかを確認する。

飲食系は本当にたくさんあるから迷ってしまう。

定番のお化け屋敷や創作映画上映とかもあるし、学校全体を使った謎解きもあるみたいで楽しそう。


高校の文化祭の規模って大きいな。



「まずなんか食わね?腹減った」

「ねぇ、かほちん」

「ん?どうしたの?」

「なんで廉と町田くんがいるの?」


ずっと気になってはいた。

近くに立って離れないなぁって。



「そりゃ一緒に回るからだよ」

「わたし、聞いてないんだけど……」

「あ、ごめん。言い忘れてた。4人で回ろう」


遅いよ。
もう知ったあとだよ。

ツッコみたくなるところをぐっとこらえる。



「月島、オレら邪魔だった?」


首を傾げて尋ねてくる町田くんに、思いきりの笑顔を向けた。


「ううん。そんなことないよ。一緒に楽しもうね」

「わっ、天使。ありがとう!」


べつに嫌ってわけではない。

けど、廉が一緒は……。



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