好きな人には好きになってもらいたいじゃん。

いつもわたしがしたいことや、いまの気持ちを先読みしてくるよね。


「折原すごいね。くるたんのことなんでもわかってる」

「当然」

「えー、当然じゃないよ」

「そうそう」


かほちんと町田くんが驚いたような反応を示す。

ふたりは知らないのかな。



「幼なじみだもん」

「幼なじみでもわからないよ」

「オレも男の幼なじみ3人いるけど、なに考えてるかわかんねぇ時のほうが多い」


そうなんだ。

わたしも正直、廉がなにを考えているかわからない。

でも、廉はわたしのことをわかってくれていることが多い。

たまに違うじゃん!って思うときはあるけど、ほとんどわかってる。



「じゃあ、わたしは廉でよかった」

「お?廉照れんなって」

「……うるせぇ」

「くるたん、なんかあった?」


かほちんがわたしの顔を覗き込んでくる。

少し心配しているような様子。


あ、表情か雰囲気に出ちゃってるのかな……。

落ち込むわたしはいまは抑えなきゃ。



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