好きな人には好きになってもらいたいじゃん。


「なんでもないよ。早く行こう!」


それから文化祭を4人で回る。

いろんな飲み物や食べ物も食べたし、脱出ゲームやお化け屋敷も入った。

創作映画の上映も見て、化学部の体験授業なんかも受けてみた。


楽しいな。

嫌なことも考えたくないことも、いまだけは忘れて純粋に楽しい気持ちになる。



「果穂、集合!いまから男装コンテストにキャプテン出るから応援するよ」

「え、先輩!?ごめん、くるたん」

「いいよ。行ってきて」


かほちんは部活の先輩に呼ばれて行ってしまう。

しっかり者でサバサバしたかほちんが先輩に囲まれて頭をわしゃわしゃされている。


部活ではかほちんはあんな感じなんだ。

普段は見れないかほちんの姿に笑みがこぼれる。



「お、廉と凛太郎じゃん。一緒に回ろうぜ」

「えー、なんで先輩と」

「てかお前らなんでそんなかわいい子といるんだよ。って、3曲目でダンスしてた最後左側にいた子じゃん?」

「先輩なんで知ってんすか」

「かわいいってすげぇ話題になってんだよ。名前は?」


< 177 / 347 >

この作品をシェア

pagetop