好きな人には好きになってもらいたいじゃん。


廉の瞳に捉えられ、そのまま口づけられた。

ずっといっくんだけを追いかけてきたから、さっきのキスがもちろん初めて。


それなのに、またすぐ2回目がやってきて、しかも相手が廉なんだから混乱する。


ドアに体を押し付けられて両手を上で拘束され、わたしの太ももの間に廉の長い足が入ってきて密着する。

逃げられない。

そのまま何度も強く重ねられる唇。



「れっ、ま……ん、ふ……」


角度を変えるときに一瞬離れる間に廉を止めようとしゃべろうとしても、すぐに塞がれてしまう。

こんなの初めてで、頭もボーっとしてよくわかんない。


廉はなんでキスなんかっ……。


「っ、れん……れ、っん……」


ビクともしない。

こんな廉知らない。

わたしの知らない廉がまだいる。


廉のことがわからない……。


唇の隙間から侵入してくる舌にビクッと肩が揺れた。



「……ごめん」


そこで我に返ったのか、廉はやっと唇を離す。

廉が片手で掴んでいたわたしの手も同時に開放された。



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