好きな人には好きになってもらいたいじゃん。






文化祭以来、胡桃は少し変わった。

いままで通り学校も一緒に行っているし、無視されているわけではない。


だけど、目は合わせないし話していても歯切れが悪い。


それがもう2週間以上続いている。


まぁ、俺としては完全に避けられるよりはよかった。

縁切られるくらいのことをしたと思ってはいるから。



「はよ」

「……ん」


朝、いつものように家を出て胡桃を待つ。

いままでは胡桃が先に出て樹を待っていた。

だから俺はあえて遅く家を出て、待たせていた。


樹が俺も一緒じゃないと行かないと気づいていたから。

いま考えれば、俺の気持ちを知っているからだったんだと思う。


そういうところ、正直むかつく。


だからそれに気付いた以来、2学期からは俺が胡桃より先に家を出て待つようにしている。

胡桃に避けられないようにということもあるけど。


あー、まじで自分の女々しさに嫌気がさす。

それでも、うだうだ言ってらんねぇから、もう遠慮はしない。


ここまできたら、幼なじみなんて関係はぶち壊す。

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