好きな人には好きになってもらいたいじゃん。




「……廉のせいじゃん」

「そうだな」

「廉が悪いんだよ」

「謝らねぇけどな」

「……ばか」

「うん」


顔が熱い。

こんなの意識しないほうがおかしいんだもん。


文化祭のときだって、昨日だって、さっきだって、廉に狂わされてばっかり。



「廉のばか」

「いいよ、ばかだよ」


ほら、おかしい。

廉もおかしい。
わたし以上におかしい。



教室に行き、お弁当を持って学食へ行く。

サンドイッチで食べやすいのに、なんでか食べる気になれなくて結局ほとんど廉が食べてくれた。


今日の廉はいじわるじゃないから、ほんと調子狂う……。



「あ、つぎ障害物競争でもうすぐ点呼だわ」

「かほちん、代わりにごめんね」

「いいよいいよ。行ってくるね」

「うん。がんばってね」


わたしが出られない代わりにかほちんが出てくれる。

かほちんは練習なくてもわたしみたいにドジしないんだろうな。


ほんと、わたしは運動能力低すぎだよね。



「オレらも騎馬戦。廉、行くぞ」

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