好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
無理なダイエットはしてないし、ベストな体型をキープする方向でいってるから頬なんてこけてないし。
失礼しちゃうわ。
「いいから食えよ」
押し付けるように渡して、自分の席に戻っていく。
わたしの手の中にあるジャムパン。
……すきだけどさ。
しかもホイップまでついてる、わたしのだいすきなジャムパンだ。
廉にはむっとするけど、ジャムパンに罪はないからお昼に食べようとリュックに入れた。
授業中もほかのことを考えそうになるけど、がんばって追い出して授業に集中する。
悪い想像ばかりするのはよくない。
よくない……。
「くるたん。お昼だよー!」
「あ、もう……」
「集中してたね」
集中することに集中していた。
ちょっと疲れた。
それこそ甘いもの……あ、廉がくれたジャムパンがある。
「今日弁当なくてさ、学食でいい?」
「いいよ」
かほちんの言葉に頷いて、お弁当とジャムパンを持って学食へ行く。