好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
◇ぜったいにいちばん
体育祭最後の種目。
リレー決勝。
女子はさっき終わった。
みんながんばっていたけど、惜しくも3位だった。
とにかくかほちんはかっこよかった。
そして、つぎは男子。
廉はアンカー。いっくんもアンカー。
兄弟対決をひそかに楽しみにしていた。
廉、がんばれ。
いっくんも、がんばれ。
ドキドキして間もなく、スタートした。
決勝はさすがにみんな速くて、そこまで差はできない。
少しずつ差が広がっていくけど、うちのクラスは1メートルほどの差で2位をキープしている。
現在1位はいっくんのクラス。
これは本当に兄弟対決だ。
順位は変わらず、1秒満たないくらいの差でアンカーへとバトンが渡される。
「折原くーん!がんばって!!」
「折原抜けよ!」
どっちも折原なんだよ。
と、心の中でツッコミを入れながらも走っている姿から目が離せない。