好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
にこっと笑いながら尋ねれば、わたしのことを上から下まで何度も見る。
あー、いまきっと品定めされてるよ。
わかるもん。
廉の隣にいたら、女子からよくそんな目で見られてた。
「折原奈子。中3で、廉くんと樹くんのいとこ」
なんとなくそうかなって思ったけど、やっぱり年下なんだ。
さすが折原って感じで、廉やいっくん同様に顔がいい。
「それで、どうして廉くんの腕につかまってるの?」
「足怪我してるから支えてもらってるんだよ」
「……ただ廉くんにつかまりたいだけでしょ」
「ん?」
「べつに」
……聞こえてたんだけどね。
これは確信。
この子は廉のことが好きなんだ。
モヤッとして、片手だけ廉につかまっていたけど、廉の腕を引き寄せて抱きつくように絡める。
廉がわたしに視線を落とすのがわかったけど、なんとなく顔を見れなかった。
「ちょっと!」
「うるせぇ」
声を上げたいとこに対してすぐに廉がつぶやく。