好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
気持ちは純粋そのものだけど、汚い部分も多くあった。
恋はきれいなだけではないってわかるよ。
それでも、だからこそ、きれいなものはより際立って魅力的なんだろうね。
「胡桃」
「廉くん!ねぇ、帰ろうよ」
わたしが離れると同時に奈子ちゃんが廉に近づく。
モヤ。
胸の奥あたりがおかしい。
「お盆に集まったときの写真持ってきたよ」
モヤモヤする。
「そういえば盆祭りでのビンゴ大会での景品どうだった?廉くん1番に当たってたもんね」
ムカムカする。
「廉くん、パパが廉くんとサッカーしたいって言ってたよ」
……わたしより、廉のことを知ってる女の子がいるの?
わたしより、廉と親しい関係にある女の子がいるの?
「胡桃、帰るぞ」
「ねぇ、奈子も廉くんと帰る。今日は廉くんの家にお泊まりだよ」
どうしてわたしが、こんな気持ちにならなきゃいけないの……。
モヤモヤ、イライラ、ムカムカ。
意味わかんないよ。