好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「……泊まって?」
「…………」
「わたしの部屋でお泊まり、しよ」
奈子ちゃんの気持ちもわかるけど、いやだと思ってしまった。
廉をだれにもとられたくないって思ってしまった。
幼なじみは他人。
いとこは家族かもしれない。
でも、負けたくないって思ってしまった。
廉のいちばんはわたしがいい。
ぜったいのぜったいに、わたしがいい。
廉の腕に抱きつく奈子ちゃんを思い出してモヤモヤする。
廉の隣はわたしがいい。
「廉のいちばん近くにいる女の子は、わたしじゃないといやだ……っ」
いつからか、廉でいっぱいだったんだよ。
そばにいてよ。
他の子じゃなくて、わたしのそばに。
わたしのそばには、廉がいないとだめなんだよ。