好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



ラーメンおいしそうだなぁ。

隣で麺類を食べている人を見ると食べたくなるよね。



「なに、食いたいん?」

「べ、べつに」

「ほら」

「カロリーが……」

「そうか」

「あ、やっぱり食べる!」



わたしの言葉に廉はすんなりトレイをわたしの前にスライドさせてくれた。

廉の箸を受け取ってラーメンを食べる。


最近は我慢してたから、よりおいしく感じた。



「ん~おいしい!」

「だろ?」

「もう一口」

「だめ。俺のなくなる」


廉の言葉を無視して勝手にラーメンを食べ進める。

なんか声を上げているけど聞こえない。


おいしいなぁ。

たまにはやっぱりこういうのも食べたいよね。



「おまっ、めっちゃ食ったな……」

「わたしのお弁当、少し分けてあげる」

「くみちゃんが作ったんだよな?」

「うん」


くみちゃんとはわたしのお母さんのことだ。

家が隣だから家族ぐるみで仲良しで、お互いの両親のことを名前で呼んでいる。




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