好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
……うん。わかってるよ。
廉の嘘か本音かなんて簡単にわかるよ。
ずっと一緒にいたもん。
ずっと見てきたもん。
幼なじみだもん。
それくらいはわかる。
でも、聞きたいんだもん。
廉がこんなに素直に、わたしへの想いを言葉にしてくれるなんて、つぎいつあるかわかんないじゃん。
ほんとに、廉がわたしのこと好きなんだなっていま実感してる。
だけどね、欲張りだからもっと欲しいんだよ。
もっと実感したいんだよ。
「わがままくらい、いっぱい聞いてよ」
「俺はもう限界つったろ」
「え?……んっ、」
「あのときからずっと触れたかった。胡桃とキスがしたかった」
一度触れて、すぐに離れる。
熱っぽい視線にとらわれ、恥ずかしすぎて心臓出ちゃうよ。
何度、廉にドキドキさせられたら気が済むんだろうか。
幼なじみだから廉なんて慣れてるって思ってたけど、彼氏の廉には慣れない。
「俺のわがままも聞いて」
「……なに」
「胡桃に触れさせて、たしかめさせて。胡桃が俺のもんになった実感が欲しい」