好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



「じゃあ食べる」

「ちょ、どうゆう意味!じゃあってさ!それってさ……」

「べつに」



わたしのお弁当を取った廉はお母さんが作ったたまご焼きを食べる。

そのままメインのハンバーグまで遠慮なく食べていく。



「廉食べすぎ!」

「胡桃も俺のラーメン食べたじゃん」

「わたしにちゃんと食べろって言ったじゃん」

「ラーメン食ったから肌テカってんぞ」

「最低!」



やっぱり廉はいじわるだ。

急に来たからついついここに座っていいよって了承しちゃったけど、やっぱり拒否するべきだった。



「廉のばか」

「くるたん、お待たせ。めっちゃ混んでた……って折原?」

「おい廉〜、おいて行くなよな……ん?月島?岸本も」



廉に対してむすっとしていると、タイミングよくかほちんがやって来た。

町田くんも廉を探してきたみたいだ。



「仲良くふたりで食べてたの?」

「なに話してたわけ?」



かほちんも町田くんも同じようにニヤニヤした笑みを浮かべながら、わたしたちの前の席に座る。




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