好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「廉も一緒に寝よ」
「あ、おいっ……」
腕を引っ張ると、バランスを崩した廉がベッドに顔面から沈む。
普段かっこつけてる廉のちょっとかっこわるい姿。
「ふっ」
「笑うなよ」
うつぶせのまま、腕の隙間から視線だけ向けられた。
いろんな廉を見れるとうれしいよ。
これからも、わたしだけしか知らない廉を知りたいんだ。
「今日はいっぱい話そうよ。あ、アルバム見る?」
ベッド横に置いてる、小さいころの写真が入っているアルバムを手に取る。
それを開いて、廉と一緒に見ていく。
「わ、廉の目つき悪すぎ」
「うっせぇ」
「ねぇ、廉。ずっとわたしを見てるじゃん」
「……うっせぇ。もう寝る」
わたしに背を向ける廉。
照れてる?
ねぇ、いま気づいたよ。
廉がうつってる写真、ぜんぶわたしを見てるね。
本当に、ずっとわたしのこと想ってくれてたんだ。