好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
奈子ちゃんをじっと見つめると、ぐっと拳を握ってわたしに強い視線を向けた。
一度下唇を噛んでからニッと笑う奈子ちゃん。
「ぜったいかわいくなって来るから」
恋する女の子はみんなかわいいいよ。
こんなに全力で恋をしてる奈子ちゃんはかわいい。
そして、最強のライバルだ。
「うん」
「来年、同じ高校行くからそれまで飽きられないようにね」
「がんばるよ」
「廉くんに振られないようにね」
ちょっと驚いて目を見開く。
そんなわたしに、補足をしてくれた。
「廉くんのあんな表情とか独占欲見せられたら、さすがに敵わないって。でも、見下したりしてこない月島さんに、同じ気持ち感じた」
わたしたちやっぱり似てるんだね。
奈子ちゃんもわたしのこと、わかってる。
「ライバルだよ」
「……むかつくけど、悪い気しない」
「受験がんばってね」
「余裕だよ。でも、高校のことや廉くんのこと知りたいから連絡先だけ教えて」