好きな人には好きになってもらいたいじゃん。


奈子ちゃんをじっと見つめると、ぐっと拳を握ってわたしに強い視線を向けた。

一度下唇を噛んでからニッと笑う奈子ちゃん。


「ぜったいかわいくなって来るから」


恋する女の子はみんなかわいいいよ。

こんなに全力で恋をしてる奈子ちゃんはかわいい。


そして、最強のライバルだ。



「うん」

「来年、同じ高校行くからそれまで飽きられないようにね」

「がんばるよ」

「廉くんに振られないようにね」


ちょっと驚いて目を見開く。

そんなわたしに、補足をしてくれた。


「廉くんのあんな表情とか独占欲見せられたら、さすがに敵わないって。でも、見下したりしてこない月島さんに、同じ気持ち感じた」


わたしたちやっぱり似てるんだね。

奈子ちゃんもわたしのこと、わかってる。



「ライバルだよ」

「……むかつくけど、悪い気しない」

「受験がんばってね」

「余裕だよ。でも、高校のことや廉くんのこと知りたいから連絡先だけ教えて」



< 294 / 347 >

この作品をシェア

pagetop