好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
意味わからない廉はほっといて、わたしもべつにいやではないからこのままで。


あ、でもこのまま教室入るのはいやだな。

かほちんにまだ言えてないし。



「あれ?ふたり、もしかして……」


入るときには手を離そう。

そう決めた瞬間に後ろからかほちんの声。


振り返れば、目を丸くしているかほちん。


わたしと目が合うとにっと笑う。



「ふたり、付き合ったの?」

「そう。付き合った」

「きゃーおめでとう!やっとだね、折原よかったね」

「うっせ」


わたしより先に廉が答える。

まさか廉から言われるとは。


恥ずかしくて手を離そうとするも、わたしの行動を読んだのかぎゅっと握る。



「ラブラブじゃん」

「だろ」


そう言って廉が繋いでいる手をかほちんに見せる。

ねぇ、廉はそういうの苦手でしょ。


茶化されるのとかうざがるタイプでしょ。



「うれしそうじゃん。話聞かせて」

「やだよ」

「折原じゃなくてくるたんから聞くの」

「だめ。俺らの秘密だから」

「うわ、独占欲?束縛もやばそうだね」

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