好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
かほちんと廉が言い合っている。
めずらしい光景にただ見ることしかできない。
「しねぇよそんなん。しなくてもいいんだよ」
「うわ、余裕だね」
「お前は凛太郎のこと考えとけよ」
「へっ!?」
かほちんの顔がいっきに赤くなる。
え?
かほちんのそんな赤い顔見たことないよ?
「う、うるさいな。くるたんにこじらせてたくせに」
「まじうるせぇ」
「おっはよー!ってなに騒いでんの?……ってえぇ!?れ、廉と月島が……」
「邪魔者は消えようぜ、胡桃」
「折原まじむかつく!」
「え、え?かほちん?」
すかしてる廉と大声を上げるかほちん。
かほちん、そうなの?
全然知らなかったんだけど。
「おい、待てよ。ふたり、そういう関係?岸本、教えて」
「知らない」
町田くんとかほちんをチラッと見る。
うーん、知らなかった。
教室に入っておたがいの席へ行き、荷物を置いたかほちんはわたしの席へ来る。